鳥谷魅せた!超美技で藤浪救った~
「中日0-1阪神」(11日、ナゴド)
美技が黄金ルーキーを救った。阪神・鳥谷が魅せた華麗なディフェンス。堅実さに加えた守備範囲の広さ。多種多様な引き出しを持つ内野の要が、2試合連続延長勝ちの礎を築いた。
八回、無死一塁で谷繁。犠打失敗のファウルを挟んだ3ボール1ストライク。均衡を破ろうと敵が仕掛けたバスターエンドラン。三遊間に飛んだ打球。送りバントシフトで二塁ベース左に位置した鳥谷が懸命に走る。逆シングル捕球から、一塁へのジャンピングスロー。間一髪でアウトをもぎ取り、ピンチの拡大を防いだ。
「3ボール1ストライクになった時点でエンドランはあるなと。打った瞬間に捕れると思った。捕れれば(一塁走者に)三塁には行かれないだろうと。一塁も間に合うと思った」。奥深い思考回路。すべてが想定の範囲内だった。
和田監督も絶賛だ。「大きいね。あの守備で相当、藤浪を救ってくれた。どんな打球でも、あそこに飛んだらアウトにしてくれる」。絶大なる信頼の輪が、より一層広がったシーンだった。
自己記録に並ぶ18試合連続安打は逃したが、延長十回、2死からこの日2個目の四球で出塁し、マートンの決勝打で本塁を駆けた。「とにかく塁に出ようと思ってた」。キャプテンの選球眼が3カード連続勝ち越しを呼んだ。個人記録に興味はない。勝利に貢献できた事実が、鳥谷の表情に誇らしさを浮かべた。