福留102日ぶり復帰…三邪飛も手応え
「阪神1‐2広島」(13日、京セラ)
帰ってきた。左膝の負傷から102日ぶり。阪神・福留が1軍に復帰した。代打で三邪飛に倒れたが、首位・巨人猛追へ欠かせないピースが加わった。
七回1死三塁。背番号8が打席に向かう。耳をつんざく大歓声が巻き起こり、チャンステーマがかき消された。「まだ何も仕事をしていないのに、すごい歓声をもらってありがたかった」。負傷した左足でしっかりと足場をつくると、鋭い目つきでPL学園の後輩・前田健に対峙(たいじ)した。
「彼みたいに勝負どころが分かっている投手を、そう簡単に打てるとは思っていなかった。初球から勝負してくると思った」
初球は外角高めのチェンジアップをファウル。最後は外角チェンジアップを打ち損じて、三塁ファウルグラウンドへ飛球を打ち上げた。それでも一線級の投手と対戦し、つかんだ手応えは大きかった。
「初球からバットが出たのは、自分にとって明日への収穫になった」。和田監督も「スイング自体は悪くない。いけそうだな、というところを見せてくれた」と評価。スタメン復帰も遠くはない。そう感じさせるインパクトは残した。
試合前には鳴尾浜を訪問。私服でグラウンドに入ると2軍首脳陣、選手、スタッフ全員にあいさつして回った。「長い間、お世話になったからね」。残り45試合。感謝、恩返し…。わき上がる感情は思う存分、グラウンドで表現する。