「阪神１‐７広島」（１４日、京セラ）

　小走りでうつむきながら、両肩に悔しさと大量失点を背負いながら、５回を投げきれずにマウンドを降りた。いきなり大きくつまずいた立ち上がり。阪神・岩田は、４回１／３を９安打６失点で敗戦。初回の５失点が響いた。

　「力がないです。（状態は）前回とさほど変わらない感じだった。カウントを悪くしてしまった。ストライクゾーンに集まりすぎました」

　初回、先頭のルイスに２ボールからの３球目を左前に運ばれると、無死二、三塁から丸の三ゴロの間に先制された。なおも１死三塁から迎えたキラに打たれたのは、またも２ボールからの３球目。右翼への適時打で２点目を失うと悪い流れは止まらない。打者一巡の猛攻にあい、最後は投手の大竹にも適時打を許して一気に５点を奪われた。

　二回から四回は１安打無失点に抑え、五回には１点を失って降板。和田監督は「二回以降は、そこそこのピッチングをするのに。ずっと課題の立ち上がりを克服できていない」と振り返った。最近２試合は、初回の失点もなくゲームをつくってチームに貢献していた。それだけに、大乱調となった初回が悔やまれる。

　中西投手コーチは「後半戦もがんばってもらわないといけないピッチャー。明日も（京セラに）くる」と話し、山口投手コーチは、今後間隔をあけることもあるかと問われて「それも考える」と答えた。再び顔をのぞかせた立ち上がりの不安定さ。重さの残る敗戦となった。