4番マートンがライアン撃ち千金V打

 「阪神1‐0ヤクルト」(17日、京セラ)

 相手はセ最多勝右腕。1点でも先に奪いたい。阪神・マートンは勝負どころを見極め、一振りで決めた。唯一の得点となる決勝点をたたき出し、小川に土をつけた。

 初回2死二塁、2ストライク。ヤクルトバッテリーは高めへのつり球を選択した。中村のミットがわずかに下がると、甘くなった直球を逆らわずにミート。右翼前方へ鋭いライナーを打ち返した。

 打球は飛びついたバレンティンのグラブをはじき、右中間方向へ転がった。先制の右中間二塁打。36イニングぶりの適時打で奪ったこの1点が決勝点となった。

 「ボールを強く捉えるしかないと思って打席に入った。早い回に先制できてよかったよ」

 二回以降、完全に立ち直った小川から四回先頭で中前打。「シーズンを通していい投球をしている。打つのは簡単ではない投手」と評する右腕に対して、今季の対戦成績は7打数5安打、打率・714。“和製ライアン”キラーとなった。

 打つだけではなかった。三回2死二塁。前進守備から上田の左翼後方への飛球を懸命に背走。ギリギリのタイミングでつかみ取り、同点を阻止した。「しっかり捉えられたけど捕れてよかった」。鶴が初めて招いたピンチを美技で救った。

 13日に福留、16日に西岡が1軍に復帰。来日4年目の助っ人は今季、チームが変わった要因に2人の存在を挙げる。「成功、実績がある選手が加わったことで自分たちもできるんだという思いにさせてくれるチーム全体の精神的支えになっている」。ほぼフルメンバーがそろったことで、マートンにかかる負担は確実に減る。一時は下降線をたどった打撃成績が再び上向くことも期待できる。

 試合後は1時間半をかけ映像でフォームをチェックし、左足首をアイシング。首位・巨人に優勝マジックが点灯したまま。厳しい現状に変わりはないが、優勝の可能性は残されている。奇跡の逆転劇は4番のバットに掛かっている。

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