西岡、真夏のロードへ“先手必勝”宣言
真夏のロードを先手必勝で攻めまくる!阪神・西岡剛内野手(29)が19日、きょう20日のDeNA戦(横浜)から続くロード9試合を、初回から先手を取る攻めの野球で勝ち越すことを誓った。左膝痛から復帰した虎のリードオフマンが、逆転Vへの旗頭として疾走を続ける構えだ。
逆転劇への合言葉は「先手必勝」。それしかない。猛虎打線に戻ってきた背番号「7」は、瞳に決意の色をにじませ、ロード後半の9試合を戦い抜く思いを口にした。
「(ロードは)すべて先攻なので、初回から先手を取るのが大事になる。守っていてはダメなので、攻めの野球をやっていかないといけない」
リードオフマンらしい言葉だ。ロッテ時代から「その試合の1打席目に、一番の集中力を持っていく」ことを身上とした。相手先発投手の立ち上がりをたたき、試合の流れを一気に引き寄せる。どん欲に勝利を求める、西岡剛のこだわりだ。
攻めの姿勢を貫き通す。それは、今の猛虎に最も重要な要素となる。首位・巨人とは6・5差。いまだ、宿敵の背中は遠い。だからこそ、これまで「敵は巨人じゃない。敵は自分らやから。相手どうこうではなく、自分たちが勝てばいい」と声を上げ続けた。
胸に悔しさを秘める。2日からの真夏のロード前半9試合は、左膝痛による登録抹消で欠場。自身が2軍で再調整を続ける間、チームはギリギリの戦いで踏ん張り続けてきた。チームの力になれない‐。その事実に歯がゆい思いをしてきた。
16日のヤクルト戦(京セラドーム)で1軍復帰後は、攻守に躍動しチームは3連勝。離脱前同様にベンチでのムードメーカーも務め、チームの雰囲気を一変させた。
復帰後の西岡に和田監督は「(西岡)剛は、離脱前と全く動きが違うね」と話し、完全復活を遂げたリードオフマンに賛辞の言葉を惜しまない。悔しさはグラウンドでしか晴らせない。それを体現した格好だ。
だが、ロードにも心強い味方はいる。猛虎軍団の背中を後押し続ける虎党の存在だ。西岡も「阪神ファンは、どの球場でもスタンドをいっぱいにしてくれる。アウェー感はないですね」と感謝。同時に期待の大きさを、十分に感じ取っている。
巨人を意識するのではない。「自分たちが勝てば差は縮まる。負けて縮まることはない。勝てばいいんです」。残り40試合。逆転Vを「奇跡」と呼ぶものもいる。だが、西岡は歓喜の瞬間を信じ、最後まで攻めの野球を見せ続ける。