福留中堅OK!大和離脱の緊急事態救う

 阪神・福留孝介外野手(36)が大和の負傷離脱に伴い、阪神移籍後初めてセンターを任される可能性が22日、高まった。予定されていたDeNA戦(静岡)は降雨によるグラウンド状態不良で中止が決定。日米通算265試合で中堅を守った経験を持つベテランは、チームの緊急事態を救う意気込みだ。

 優勝の可能性は残っている。左膝の手術で迷惑を掛けたチームに、恩返しするためにも一肌脱ぐ。福留が中日時代の06年9月6日のヤクルト戦(ナゴヤドーム)以来の中堅に意欲を見せた。

 「準備をしろ、と言われたところでやるだけだからね。違和感も特にないよ」

 20日のDeNA戦で中堅を守り続けた大和が、死球を受けて右手小指を骨折。21日の同戦では俊介が中堅に入った。ただ、広島・前田健ら相性が悪い右投手との対戦時には、打率・290の今成に右翼を任せ、福留が中堅に入る形の方が攻撃力は増す。

 和田監督は福留の中堅起用が選択肢にあるかと問われると「そういうことやな」。攻撃的布陣を採ることを否定しなかった。23日の中日戦(ナゴヤドーム)は左腕・大野が先発予定だが、右腕・カブレラの先発が濃厚な24日の同戦で早速、実現する可能性もある。

 福留は中日時代に中堅で126試合に出場している。米大リーグでも09年のカブスでの113試合を最多として、計139試合で中堅を守っており、経験は豊富だ。

 自主的に準備も進めている。大和が離脱した翌21日は、DeNA戦前の練習で中堅に入ってフリー打撃の打球を追った。中日時代は外野手部門で4度のゴールデングラブ賞に輝いた実績を持ち、外野の守備力は折り紙付き。軽快な背走で打球を処理する姿は、ブランクを感じさせなかった。

 この日のDeNA戦は雨天中止となった。静岡・草薙球場での試合は、中日時代の03年6月15日の横浜戦以来10年ぶりだった。試合前には改装された球場を懐かしんでおり、「残念だね」と試合開催を願ったファンに申し訳なさそうに話した。

 23日は中日戦。4月25日以来となる古巣との対戦は、首位・巨人を猛追するためにも負けられない一戦となる。手術を受けた左膝に不安がなくなった今、攻守で福留に掛かる期待は一層高まっている。

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