桧山怒りの代打107打点 セ歴代2位や
「中日2‐7阪神」(23日、ナゴド)
鼓動を抑えながら、冷静に燃えた。ありったけの気迫を乗せた強烈な打球が右翼の右を破る。迷うことなく二塁へと足を回転させる。リードを3点から5点に広げるダメ押しの一振り。二塁上で力強く握った拳に感情が見えた。阪神・桧山の一打が勝利を不動のものにした。
「(打点の)記録とかそういうのじゃなくて、勝てて良かった。その言葉に尽きる」
七回だ。2死一、二塁の好機から代打で打席へ。3ボールからの4球目を振りにいってファウルとなり、仕留めたのは5球目だった。「カウント有利だったので(直球が)あるかなとは思ったけど」。直球を力強くはじき返すと、右翼への2点適時二塁打となった。
これで代打通算打点は107に。この試合までは105打点で歴代2位タイの数字だったが単独2位に浮上。ただ、もともと、個人の記録に執着することはない。三回のマートンの飛球をめぐった抗議の際は、ベンチから飛び出して審判団に感情をぶつけるなど熱くなる場面も。指揮官も退場となった流れで、負けるわけにはいかなかった。
「ああなって先に点を取られたけどね。負けたらどうしようもなかったから。勝てて良かった」。試合後、何度も「勝てて良かった」と繰り返したのは、この勝利の重さを分かっているからこそ。価値ある一丸の勝利。単なる一勝では終わらせない。首位・巨人追撃へ。桧山は気を緩めることなく次の一打にかける。