「中日１‐４阪神」（２４日、ナゴド）

　阪神・藤浪の粘りの投球が、チームの逆転勝利を呼び込んだ。再三、走者を背負いながらも、６回５安打１失点。ゲームを壊さず最少失点で中継ぎ陣に、バトンをつないだ。

　「ゲームメークできたので、悪くなかったと思います」

　試合後、急ぎ足でバスに乗り込んだ藤浪は淡々とこう振り返った。

　調子自体は良かった。中西投手コーチも「今日は良かった。ブルペンでは今年１番。指にかかったボールがいっていた」と話した。

　ただ、試合序盤からボール球が先行した。二回から五回まで、計４イニング、先頭打者を出塁させた。

　中でも悔やまれるのは同点の五回、投手のカブレラに与えた四球だ。これが発端となり、藤井の右前打、井端の犠打などで１死満塁のピンチを招くと、和田には左犠飛を許し先制点を許した。

　「リズムが悪かったのは反省点です」。藤浪は敗者のような表情で声を絞り出した。

　それでもプロ初の中５日登板の影響は一切、感じさせなかった。今週は中５日仕様に調整法を変更した。３日前に入るブルペンでの投球練習では、マウンドの傾斜を確かめるように、フォームのバランスを意識。さらに、通常よりも球数を減らすなど工夫をこらした。

　和田監督は「初の中５日で十分、務めを果たしてくれた。影響はないんじゃないかな」と合格点を与えた。中西コーチも「（中５日の影響は）なかった」と断言。首脳陣は今後、しばらくこの登板間隔では登板させない方針だが、ルーキーは慣れない間隔でも適応できることを示してみせた。

　２桁勝利は次回３１日の広島戦に持ち越された。舞台は高校時代から不敗記録を続ける甲子園。さらに８月度の月間ＭＶＰ獲得の可能性も残されている。慣れ親しんだ聖地のマウンドで２つの勲章を手にする。