鳥谷、攻撃型オーダーに点火打~!
「中日4-9阪神」(25日、ナゴド)
失いかけた流れを引き戻した。展開を読んだ価値ある一打。阪神・鳥谷が2番に今成を起用した攻撃型オーダーに火をつけた。
初回に2点を先制。迎えた二回だった。先頭・坂、日高の連打で無死一、三塁。完全に阪神ペースだったがメッセンジャー、西岡の凡退で2死一、三塁となった。
無得点で攻撃が終われば、中日が勢いを取り戻しかねない。試合の流れを左右する場面。目の前で今成が7球粘って四球を選び、2死満塁となると、不動の3番は集中力を研ぎ澄ました。
「ナリ(今成)が粘って四球でつないでくれたのが大きかった。何とかかえしたかった」
山井の真ん中高めに浮いたスライダーを逃さなかった。左前2点適時打。和田監督が「初回の2点だけじゃ(足りない)というところで、あそこの鳥谷のヒットは大きかった」と振り返る一打で、打線は息を吹き返した。
続くマートンが左前適時打、新井は右中間へ2点二塁打を放って山井をKO。さらに福留も武藤から4打者連続となる右前適時打を放った。この回だけで6安打6点。序盤で試合を決めた。
チームは長期ロード中。移動などで疲れが溜まる中、鳥谷はルーティンを崩さない。遠征先でもホームと同じメニューで、約1時間半のトレーニングを行っている。決して妥協しない。そのたゆまぬ努力は、結果にも表れている。
この試合で7月17日の巨人戦から続く、自身今季最長の連続試合出塁は29試合となった。イチロー(現ヤンキース)がオリックス時代につくった日本記録の69試合(94年)はまだまだ先だが、和田監督が持つ2リーグ分立後の球団記録40試合(94年)は見えてきた。
27日からは東京ドームで首位・巨人と3連戦。今季の覇権の行方を左右する伝統の一戦となる。「また頑張ります」。主将は燃えたぎる闘志を内に秘め、決戦の地へ東上した。