ピンチ断つも西岡「勝てなかったら…」

 「巨人3-2阪神」(29日、東京ド)

 阪神・西岡が悔しさを押し殺すように、言った。「打てなかったら一緒」。同点の延長十回。2死一、二塁で打席が巡った。2ボール1ストライクから、最後は西村の浮いたフォークを仕留められず、投ゴロ。2死二塁から、前打者の代打桧山が敬遠気味に歩かされ、期する思いもあったはず。直後、サヨナラ被弾で3タテを許しただけに、責任を背負いこんだ。

 守備では、外野へ抜けそうな打球を再三の美技で能見をもり立てた。そして技術のみならず、視野の広さ、集中力も際だった。初回1死一、二塁から、村田が放った左翼への大飛球をマートンが好捕。2人の走者は帰塁したが、西岡は、二塁を回った一塁走者の阿部が、二塁ベースを踏まずに一塁に戻ったとみて、塁審にアピール。能見が次打者の高橋由に投球する前に二塁に送球し、阿部はアウト。ビッグプレーでピンチを断ち切った。

 冷静なアピールプレーについて問われたが、「勝てなかったら一緒」。初戦敗戦の後、「悔しい気持ちを明日、ぶつけるしかない」と話していた。不屈のリードオフマンは最後まで厳しい表情を崩さず、バスに乗り込んだ。

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