藤浪G倒再現や!カットボール進化
阪神・藤浪晋太郎投手(19)が登板予定の7日・巨人戦(甲子園)で進化した姿を見せつける。8月31日の広島戦で10勝目を挙げ、高卒新人では07年の楽天・田中将大以来となる2桁勝利を挙げた。この日は、休養日で練習は休み横浜入り。クライマックスシリーズでも対戦する可能性が高いライバル相手に再び仁王立ちする。
2度目の伝統の一戦で進化した姿を披露する。高卒新人では07年の楽天・田中以来の2桁勝利を挙げた藤浪。次回は7日の巨人戦に先発する。前回、東京ドームで対戦した8月4日は6回無失点で勝利。だが、試合後、巨人首脳陣から「収穫はあった」と次回対戦での攻略をほのめかされた。そのライバルを甲子園で返り討ちにするつもりだ。
「(注意する打者は)クリーンアップは当然ですしクリーンアップ以外でも3割打ってるバッターがいるので全体です。今回は東京ドームではないので、一発よりも連打に気をつけたいです」
たとえ、相手にデータがそろおうとも、それをしのぐ新たな武器がある。その1つは高校時代からの決め球・カットボールの使い方だ。8月31日・広島戦。五回1死満塁から丸を見逃し三振に仕留めたカットボールは外角のボールゾーンからぎりぎりストライクゾーンに入った。
対戦した丸は「スコアラーさんから、最近あの球でカウントを取れるようになっていると聞いていた。頭になかったわけじゃない」と振り返ったが、これまで左打者に対して追い込むと、内角低めに鋭く落ちるカットボールで空振りを狙うことが多かったが、その裏をかいた格好だ。
藤浪も手応えを口にする。「そこまでデータを取るか分からないですけど、もしデータを取っていたら、頭にかすめてくれたらいいかなという気持ちです」。阿部、高橋由ら左の強打者が並ぶ巨人打線。主軸を封じるための新たな配球となりそうだ。
変化球の精度にも磨きが掛かる。フォークについて「深さは変えていないですけどシーム(縫い目)の位置をいろいろ工夫している」。ツーシームからフォーシームの握りに変えた理由をこう説明した。
「プロに入ってフォークの失投は許されないと思った。能見さんに聞いたり、メッセンジャーが投げているのを見たら、徹底して低めに投げていた。能見さんから言われた『腕を強く振ること』を考えてやっています」
プロで戦い抜くためのあくなき探求心。自分なりに考え、フォークを武器にする左右のエースからその極意を学んだ。
8月は5戦4勝。初の月間MVP獲得も確実。進化したルーキーが、首位巨人をねじ伏せる。