メッセ無援に泣く…8回0封10Kも
「DeNA1‐0阪神」(5日、横浜)
勝利への欲望を全身で表現した。阪神・メッセンジャーが136球を投げ、安打も放って激走も見せた。ただ、降板後に待っていたのは、無残なサヨナラ負けだった。
「個人的にはいいものを出せたと思うけど、勝ちたい気持ちが強かった。負けたら何も残らない」。抑揚のない口調で足早にバスへと向かった。
気迫を前面に出した。六回2死一塁。「三振を取りたい打者だった」。ブランコをフルカウントから内角高めへの152キロの直球で空振り三振に仕留めると、力強くグラブをたたいてほえた。
124球を投げて迎えた八回は志願して打席に立ち、先頭で中前打を放った。二塁へ進塁するとマートンの右飛でタッチアップして、三塁へ軽やかに滑り込んだ。
悪夢を払しょくした。8月20日のDeNA戦(横浜)。3本塁打を含む7安打を浴びて6失点で大逆転負けの要因となった。「自分の人生の中で小さな球場にランクインする。ジョークみたいな球場ということで、ジョコハマって呼んでいるよ」。相性が悪い横浜スタジアムで開き直って8回無失点。スタンドで見つめた古巣の米大リーグ・マリナーズのスカウトに成長した姿を見せた。
10三振を奪い、リーグ2位の広島・前田健に13個差をつけトップをキープ。最多勝も狙える位置にいる。勝利こそ逃したが、メッセンジャーにとっては今後につながる熱投だった。