藤浪が甲子園で負けた…不敗神話の終焉

 「阪神1-4巨人」(7日、甲子園)

 不敗神話が、ついに止まった。阪神・藤浪晋太郎投手(19)が7回5安打4失点。打線の援護も1点止まりで、甲子園での不敗記録はオープン戦1試合を含む「17」でストップした。1‐0の四回、阿部への死球からリズムを崩し、逆転を許した。それでも前を向いたゴールデンルーキー。また新たな神話を築けばいい。

 秋の気配漂う聖地に、涙雨が降り注いだ。藤浪が甲子園初黒星。高校時代から続けた甲子園不敗記録は17でストップした。

 「別に気にしてなかったので。負けるのは良くないですけど。甲子園で負けていなかったことはどうも思わないです」

 表情を変えることなく淡々と振り返ったルーキー。聖地初黒星よりも、試合に敗れたことを悔しがった。

 8月4日に勝利した巨人とプロ2度目の対戦。序盤の3イニングは、スコアボードにゼロを並べた。だが、1つの死球が投球を狂わせた。1点リードの四回、内角を狙った直球が阿部の左膝に直撃。藤浪は「動揺はなかった」と振り返ったが、続く村田に1ボール2ストライクから、すっぽ抜けたカットボールを左翼ポール際に運ばれた。

 「(死球は)引っかけてしまいました。その後は失投をうまく打たれました」

 阿部への死球から内角への配球は減少。インコースに厳しく攻めきれず、続く五回には、1死二塁から長野に真ん中の150キロ直球をフルスイングされた。会心の当たりではなかったが、打球は右翼ポール付近に飛び込む2ランとなった。プロ初の1試合2被弾。巨人の一発攻勢の前に8月度月間MVP男が沈んだ。

 六回以降はセットポジションに変更。投球フォームのバランスを修正した。登板20試合目のマウンドは7回5安打4失点。7月25日のヤクルト戦(神宮)以来となる5敗目を喫した。

 尊敬するベテランに勝利を届けたかった。桧山が今季限りでの現役引退を表明した。藤浪は試合前に直接、聞かされた。「今季限りで(引退する)という話をしてもらいました。1年しか一緒にやらせてもらってないですけど、同じチームの先輩が引退するのは少し寂しいです。もっと長く一緒にやらせてもらえたらと思っていました」。球場も異様な雰囲気が漂ったが「それが影響するわけではない」と言い訳はしなかった。

 次回は14日のヤクルト戦(神宮)に先発。残りシーズンを見据え「巨人戦に限らず、いいピッチングをしたい」と気持ちを切り替えた。中西投手コーチがクライマックスシリーズのキーマンに藤浪を指名するほど首脳陣の信頼は厚い。10月の決戦をにらみ、立て直す。

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