桧山悔し~八回1死満塁で空振り三振
「阪神2‐2中日」(10日、甲子園)
最高の流れでの出番に、甲子園が沸いた。ドラマを信じた大歓声はしかし、バットが空を切った瞬間にため息へと変わった。引退を発表して初の中日戦。「仕留めなあかんかった。向こうも開き直ってくるからね」。阪神・桧山は好機を逃したことを悔やんだ。
八回、1死からの3連続四球で満塁に。ゆっくりとベンチを出た。「代打・桧山」。スタンドが大きく揺れ、迎えた浅尾との対戦。初球の直球をファウルし、3球目の空振りで追い込まれると4球目のフォークで空振り三振に。ベンチに戻る直前には拍手も起こったが桧山に笑顔はなかった。
「勝負としては、あそこで打ってればね。やられました」と桧山。試合前練習中には、中日の選手があいさつに駆け寄ってきた。今季で引退する山崎と「お互い、お疲れさまでしたという感じで。一緒に戦ってきたんでね」と握手を交わし、岩瀬には「初めて投げたフォークを打たれました」と思い出を話された。
何度も戦ってきた中日戦。「いつも読み合いでね」という谷繁に対してこの日は敗れる形に。「完敗です」と振り返ったが、まだ対戦は残っている。変わらず、勝利の一打を打ちにいくだけだ。