秋山、我慢の2失点…次こそ今季初星
「阪神2‐2中日」(10日、甲子園)
白星が遠い。阪神・秋山の今季初勝利はまたもお預けとなった。悔やんでも、悔やみきれない。鳥谷の逆転2ランが飛び出し、2‐1と逆転した直後の七回だ。
先頭・高橋周に左翼線へ二塁打を打たれ、暗雲が立ちこめる。谷繁に送りバントを決められ、1死三塁とされた。次打者は8番・堂上直。この日、最大の試練を迎えたが、踏ん張れなかった。
カウント1‐1から投じたフォークを拾われた。高く舞い上がった打球は右翼へ。これが痛恨の犠飛となり、高橋周に同点のホームを許した。さらに続く代打・堂上剛に左翼線二塁打を浴び、マウンドを加藤に譲った。
試合後、秋山は懸命に声を絞り出した。
「試合をつくらないといけなかったです。二回以降はそれなりに修正できましたけど、序盤に球数を使いすぎました。七回が悔しいです…」
初勝利を期待して先発に送り出した和田監督も「先頭バッターがね。何とか取れていたらスッといったと思うんだけど。長打を打たれたのが大きかったね」と同点とされた七回を悔やんだ。
初回こそ、クラークにフォークを右翼スタンドに運ばれ失点したが、二回以降は修正。「自分の体の状態を見てワインドアップにしました」と我慢の投球を続けた。
三回には川上、大島を140キロ直球で連続三振。クラークは歩かせたが、森野をキレのある直球で空振り三振に仕留めた。五回の打席では中前へはじき返し、今季初安打をマーク。投げて打って、懸命に勝利を追った。
今季6度目の先発マウンドは6回2/3を投げて、6安打2失点。奪った7三振は自己最多。初勝利は逃したが、先発投手の役割は果たした。残りシーズン22試合。次のチャンスはきっとあるはず。今季未勝利のままでは終われない。次こそ、笑顔でウイニングボールをつかみたい。