鳥谷4番の仕事!セ4位45戦連続出塁
「ヤクルト2‐3阪神」(13日、神宮)
猛虎の中核を担う阪神の新4番・鳥谷がクールに燃えた。「打てる球が来れば、どんどん行こうと思っていた」。同点とされた直後の五回。2死一、三塁からヤクルト・八木のスライダーを右前へ運ぶ適時打。虎党の期待に応え、堂々と4番の仕事を成し遂げた。
4番の意地を見せた一打でもある。2死三塁でネクストに向かった鳥谷。相手側は、投手コーチがマウンドへ足を運んだ。「マウンドへ行ったので、それ(自分で勝負)もあるなとは思っていた」。想定通り、眼前で3番・新井が敬遠気味の四球で歩かされた。
前打者を歩かせ、虎の4番と勝負。屈辱の光景。だが鳥谷は努めて冷静に、自身のやるべき仕事のみを見つめる。
「それは向こうの作戦。それとは関係なく、打席では自分の打撃ができた」。4番の意地。それを示すための冷静な思考。猛虎の4番に座りわずか13試合目。少しずつ、鳥谷の真骨頂が、進化の形が見え始めている。
これで、12試合連続安打。さらに球団記録を更新している連続出塁は7月17日の巨人戦(甲子園)から45試合を数え、77年の中日・大島康徳に並ぶセ・リーグ歴代4位の記録となった。
ただそれよりも「今日勝てたので、また明日ですね」と、背番号「1」はチームの勝利を喜ぶ。横顔に、猛虎打線を支える誇りがにじんだ。