西岡全力!鯉とCS前哨戦「勝つだけ」
個人の記録など眼中にない!阪神・西岡剛内野手(29)が16日、17日からの3位・広島3連戦(マツダ)での必勝を誓った。6試合連続の複数安打を続ける虎のリードオフマンだが、CSでの対戦をも見据え、自身の記録継続よりも6連勝中と勢いに乗る赤ヘル軍団を倒すことに、全力を注ぐ構えだ。
欲するのは勝利の2文字のみ‐。低調な打線の中、1人、気を吐く背番号「7」。ここまで3度の猛打賞を含み、6試合連続での複数安打を続けている西岡。打率も3割に乗せ、さらなる記録継続に期待も掛かる。だが、そんな声を一蹴した。
「個人のことで喜ぶことはない。勝つだけだから。勝たないと喜べない」。勝利への執念、強い意志。その思いを西岡は、力強い言葉に乗せて、発信して見せた。
リーグ優勝は、遠くかなたにかすんだ。だが、戦いが終焉(しゅうえん)を迎えたわけではない。来るべきCSを勝ち抜いての日本シリーズ進出。その先に見える、日本一という頂。そのために残り17試合、落としてもいい試合など1つたりとも存在しない。
特に相手が3位・広島となれば、なおさらだ。首位を快走し、リーグ優勝を目前にする巨人を相手に3連勝。前カードを合わせ、ここまで6連勝と勢いに乗る。
広島は大竹、野村、バリントンが先発予定。エース・前田健とともに、広島がCS進出となれば対戦する可能性が高い投手ばかり。まさに“CS前哨戦”とも言える3連戦だ。それは西岡も理解している。
「チームの状況を考えて、やるべきことをやらないといけない」
前夜まで、2試合連続完封負けと精彩を欠く猛虎打線。水谷チーフ打撃コーチも、打線復調の鍵は西岡をはじめとした主力選手にあるという。「若い選手ではなく、西岡、福留、鳥谷、それに新井らが引っ張っていかないといけない。名前のあるヤツらが頑張らないと」と大きな期待を寄せた。
勝負の時期を迎え、若手選手の台頭も必要だが、チームを上昇気流に乗せるのは、あくまで主軸の選手。その中で最近6試合で27打数15安打、打率・556と驚異の数字を残す西岡が、広島打倒へのキーマンとなることは間違いない。
「やるだけです」。そのフレーズを繰り返した西岡。短い言葉ながら、決意のほどが伝わってくる。そう、まだ頂点への道は閉ざされてない。CSを迎えるまで正念場となる1カ月の戦い‐。必死の背中でチームを鼓舞し、必ず強い猛虎を取り戻して見せる。