マートンもやもや吹き飛ばす4安打&弾
「広島1‐9阪神」(18日、マツダ)
葛藤、不振…。苦悩の日々に別れを告げた。阪神・マートンが来日最多タイの17号2ランを含む今季3度目の4安打。「いいゲームができたと思います」。14日のヤクルト戦で暴力行為で退場処分を受け、1試合の出場停止を経て復帰2試合目。助っ人が心のもやを吹き飛ばした。
相手はCSで対戦することが濃厚な野村だった。8月30日には甲子園で対戦し、8回無失点の好投を演じられていた。自身も3打数無安打。ポストシーズンを見据えると、苦手意識は持ちたくない相手。2度目の対戦で存在感を見せつけた。
3点リードの二回2死二塁。外角低めへ投じたスライダーを、ライナーで中前にはじき返した。「打てるボールをしっかりと打ち返すことができた」。野村からの自身初安打は、ソロ本塁打を除くと3日のDeNA戦以来51打席ぶりのタイムリーとなった。
四回2死二塁は初球の内角直球を完璧に捉えた。左翼席後方への特大の一発。「インコースにうまく反応できた」。13日のヤクルト戦以来となる一発で野村をKO。その後も六回無死は右前打、八回1死は左翼線二塁打を放ち、5月23日のロッテ戦以来となる4安打をマークした。
フラストレーションが溜まる日々が続いていた。14日のヤクルト戦。本塁でのクロスプレーで乱闘の発端をつくった。「ホームがあいていたら、そんなことはしない」。素直にコミッショナーの制裁を受け入れ、チームプレーに徹するスタイルへの理解を願った。
また、チームの急失速とともに自身はここ5試合で打率・158と低迷。ストレスは溜まっていたが、ようやく光が見えてきた。
水谷チーフ打撃コーチは打線に対して「やっとウミが出たような感じやな」。和田監督も「きょうですっきりしたんじゃないかな」と助っ人の復調を予言した。もう足踏みはしない。マートンが再び軌道に乗った。