虎貧打と守乱で完敗…3位鯉と再び5差

 「広島3‐1阪神」(19日、マツダ)

 大勝の翌日は貧打。阪神はお決まりのパターンで、広島に完敗した。野村監督時代の1999年以来となる7カード連続の負け越し。14年ぶりの屈辱を味わった。一回に坂克彦内野手(28)が先制の2号ソロを放ったが、得点はこれだけ。しかも終盤の勝負どころで守りのミスが出た。CSに向けて、もう一度原点に立ち返れ‐。

 好守に阻まれ拙守で負けた‐。痛い敗戦ではある。これで7カード連続の負け越し。99年以来、14年ぶりの屈辱。そしてCSで対戦する可能性がある3位・広島には、これで3カード連続での負け越しとなった。決戦へ不安は募る。だが逆に、大きな教訓を得た敗戦とも言えるのではないか。

 試合後、和田監督が真っ先に語ったのは相手二塁手・菊池の存在だ。

 「今日は菊池一人にやられた感じやね。タイムリーを2本捕られて、犠牲フライを打たれて…」

 初回だ。1死から坂が右中間へのソロを放ち先制。その後2死一、二塁と好機は続き、福留の一打は一、二塁間を抜いた…かに見えた。だが、菊池が横っ跳びで打球に追いつき二ゴロに。三回2死一、二塁でも新井の痛烈な打球が中前へ…と思われが、またも菊池が二塁ベース右で好捕して二ゴロに仕留められた。

 「完全にヒット性(の打球)。打球方向も研究されているんだろうけど…ポジショニングでやられているよね」

 和田監督は広島・バリントンに「嫌なイメージは持っていない」と言う。確かに序盤は右腕を攻め立てた。それだけに菊池の好守にため息が漏れる。現役時代は同じ二塁手。そして名手で鳴らしただけに、悔しさは推して知るべし…だろう。

 対照的に、猛虎は終盤に守備の乱れが目立った。七回。1点を勝ち越され、なお1死二塁で捕手・清水が捕逸。一、三塁として菊池の中犠飛で3点目を献上した。

 その後の2死一塁から、加藤の一塁けん制に飛び出した丸が、帰塁せずに二塁へ向かう。一塁手・新井は二塁へ送球。これが二塁ベースカバー・鳥谷の右を抜け、丸は一気に三塁へ到達した。

 記録は新井の失策。新井は「ボール(送球)がカット気味になった」と悔しさをにじませた。走者と送球が重なったか。ただ、鳥谷が十分に捕球可能な送球にも見えた。

 先に見据えるはCS、日本シリーズ。短期決戦となれば、相手も主戦投手をつぎ込む。必然的に1点の重要性は増してくるものだ。この失策は失点に結びつかなかったが、わずかな隙が即敗戦につながる。

 「(チームは)前カードまでの状態と、明らかに変わってきている。しっかり踏みとどまって、甲子園でまたやっていきます」と和田監督。守りの野球で勝ちきる。その原点に返り、高める。やるべきことは明確だ。

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