西岡は追われる危機感「本当にヤバイ」
「阪神6-7ヤクルト」(22日、甲子園)
新天地で目指した優勝の可能性は完全に消滅した。そんな事実よりも、“追われる”危機感が阪神・西岡の胸に充満していた。「2位しかないんで、そこを取りに行かないと。このままじゃヤバイ」。広島の足音は着実に迫ってきている。ロッテ時代に2度、ポストシーズンを駆け上がった男は「勝てる野球ができていない」と語気を強めた。
ここ2試合、追い上げる姿勢は見せているものの「細かい野球ができていない。ここ数試合は勝ててもラッキーな試合。競った試合をものにできていない」。追いつきながらも勝ち越せない現状に加え、逆にミスが絡んで相手に決勝点を与えてしまう悪循環は根深い。これが短期決戦になれば、一つのミスが命取りになってしまう。
「CSでエース級が出てくればなかなか点は取れない。2番手、3番手も中(継ぎ)に回ってくる。そこを勝ちきらないと」と西岡。全員が一つになってエースからいかに点を奪い、いかに失点を防ぐか‐。8月末までそんな勝てる野球ができていたからこそ、最大17もの貯金を積み上げた。残り12試合、CSを見据えて本来の野球を取り戻せるかがカギになる。
最後に西岡はもう一度、こう言葉を発した。「危機感を持たないと。本当にヤバイ」。CSで巨人を倒し、日本一の称号を手にするために‐。チームが変わる時間はまだ、残されている。