和田虎の連続負け越し「7」でストップ
「阪神2‐0ヤクルト」(23日、甲子園)
視点を2位死守に切り替えた再起戦。タテジマが重く、長く、苦しい数字と決別した。メッセンジャーの好投を主因とした完封勝利。阪神は連続カード負け越しを7で止め、甲子園での連敗も5で止めた。ようやく負の連鎖を断ち切った。
三回、2死無走者から3連打で奪った2点。メッセンジャーが三塁を踏ませぬ無四球完封で守り切った。「欲を言えば、ダメ押しの1点を取りたかった。そこが課題だね」と和田監督。勝利に苦言を呈するのも先をにらめばこそだ。
8年ぶりのリーグ優勝が夢と消えた前日も、この日の試合前も、虎将は全員ミーティングを開いて、選手の心に訴えかけるアクションを取らなかった。置かれた状況の厳しさは語らずとも理解できるはず。選手の自主性や意識を重視する和田流を貫いた。
3年ぶりのCS進出を決めた。眼下の敵・広島が敗れた。残り11試合で5・5差。ファーストSの本拠地開催に向けて、力強い一歩を刻んだ。ただ、勝負事に絶対は存在しない。指揮官は勝ってカブトの緒を締めた。
「もう1回東京ドームに行って、ジャイアンツと勝負したいと強く思っている。その前にしっかり2位を確定させないとね」。2位を守り、本拠地で第一関門を突破し、宿敵への挑戦権を勝ち取るための下準備。反骨心を原動力とし、猛虎がサビをそぎ落とす。