能見11勝!CSで「打倒巨人」へ準備
「阪神6-1DeNA」(24日、甲子園)
エースが新たな戦いへ、一歩を踏み出した。聖地で手にした11勝目。宿敵との決戦の舞台へたどり着く‐。阪神・能見が、その決意をウイニングボールに込めた。
立ち上がり、思わぬ形で先制点を許す。2死から3番・梶谷にやや内寄りの直球を右翼席に運ばれた。それでも和田監督が「初回の一発だけ」と話したように、粘りの投球でDeNA打線を封じた。
投手・加賀美に2安打されたが、要所を締めた。丁寧に低めをついたことが「最少失点につながった。きょうはそれなりに悪くなかった」と自ら要因に挙げた。特に勝ち越した直後の六回から3イニングは、1人の走者も許さず福原にバトンを託した
「打倒巨人」を誓った。まずシーズン2位を確定させることを前提に、クライマックスシリーズへ視線を向けた。「(ファーストSの)甲子園を勝たないといけないけど、(巨人への)挑戦権があるので」。追いすがった背中には届かなかった。だが、借りを返すステージは残されている。ここまでフル回転してきた体を「自分の中で疲れもあるので、取り除きながら、しっかり調整したい」と話した。
チームを1カ月ぶりの連勝に導いた。「それが1番良かった」。CSへ弾みをつけるきっかけをもたらし、笑顔を見せた。自身も9月に入り、これで3勝目だ。「(白星が)つくと投手は特にガラっと変わるから」と復調への自信を漂わせた。
終わってみれば、8回を散発4安打の1失点。2試合連続の好投にも「しっかり(調子を)上げていかないといけないし、もう一段良くなるようにしないといけない」。すべては「打倒巨人」のため。今以上の力を出せる準備をしなければならない。宿敵に立ち向かう。言葉のひとつひとつに、エースの覚悟が示されていた。