阪神CSは広島と…虎将は投手戦を想定
「阪神2‐4DeNA」(25日、甲子園)
阪神のCSファーストSの相手が、広島に決まった。あとは2位を確定させ、甲子園で迎え撃つだけだ。和田豊監督(51)は広島とのCS対戦について、1点を争う投手戦を想定。それだけにこの日のような展開で勝ちきることが、今後への自信につながるところだったが…。CS本拠地開催へ向け、そろそろエンジン全開、頼んまっせ!
宿敵への挑戦権をかけたCSファーストステージの敵が決まった。16年ぶりにAクラスを確定させた広島が、突破すべき第一関門に立ちはだかる。ここまで12勝11敗と互角の戦いを繰り広げてきた好敵手。相手に不足はない。
「ピッチャーのいいチーム。打ち合いになりそうにはないんで、しっかり考えていかないといけない」。不確定だった相手がはっきりと決まった。和田監督が表情を引き締めた。
天敵撃破が鍵となる。前田健太。今季6度の対戦で1勝4敗。防御率は0・40。45イニングで、わずか2点しか奪えていない強敵。初戦の先発が有力視されるノーヒッター右腕を攻略できるか否かで、雲行きはガラリと変わってくる。
約3週間後に迫った決戦に向け、タテジマが不安を残した。10残塁の拙攻。三回、DeNAの新人・三嶋から、23イニング目で初めて得点を奪ったが、後が続かなかった。八回にボイヤーが被弾し、横浜時代から8年続いていたカード勝ち越しが消えた。
ポイントは三回。1死満塁から、鳥谷が二塁適時内野安打。ダイビングキャッチで捕球した二塁・石川の姿を見て、二走・俊介が一気に本塁を突いたが、寸前であえなく憤死。狙いと姿勢は買えるが、アウトになったことで流れが霧散した。
「(本塁を突いた)是非うんぬんじゃなくて、あそこで流れを持ってこれなかったことが最後まで響いた」。キャンプ中に打ち出した走塁革命だが、間隙(かんげき)を縫い、生還して初めて価値を持つ。その後の展開を考えると、痛すぎる走塁になった。
好投手との対戦になれば、大量得点は望めない。ならば…。小技であり、走塁が、局面を一気に動かす要因になる。終盤まで1点を争ったこの日のような展開になることも予想される。失敗を糧にしない手はない。
「とにかく甲子園でやる。それを1日でも早く決められるような野球をやっていきます」と虎将が語気を強めた。2位を確定させるマジックは3。広島とのゲーム差は4・5。残り9試合。今のチーム状態を考えれば、まだ安心とは呼べない。