中谷、最終戦で逆転サヨナラ2号3ラン
「ウエスタン、阪神5‐3ソフトバンク」(29日、鳴尾浜)
高く舞い上がった打球に鳴尾浜の虎党が、今季一番の大歓声を上げた。阪神・中谷将大がウエスタンの今季最終戦で逆転サヨナラ3ラン。歓喜に包まれながら、全力で二塁ベースを回ると、ようやく満面の笑みを見せた。
3点ビハインドの九回だ。代打・林威助から始まった攻撃。若鷹の守護神・星野から2点を返す。逆転ムードが最高潮に達し、なおも2死一、二塁。中谷が初球の抜けたスライダーを強振。左翼の防球ネットに突き刺さる特大アーチを掲げた。
「最初と最後だけでしたね」と苦笑いで答えた。シーズンを締めくくる劇弾は、今季2本目。しかも3月22日のオリックスとの開幕戦に、チーム1号となる2ランを放って以来のものだった。
13年シーズンは中谷で始まり、中谷で終わった。だが、決して喜べる1年ではない。八木2軍打撃コーチは「期待外れに終わった選手もいた」という。チーム最多100試合に出場しながら打率は・201。中谷自身も痛感しているからこそ「歯がゆいです」と、反省が口をついた。
試合後、平田2軍監督はナイン、首脳陣ら全員を集めた。「Change、Chance、Challengeや。変わっていかなアカン」と、和田監督が掲げた3つの誓いを引き合いに出し、ゲキを飛ばした。呼応するように中谷は「結果にこだわる。頑張ります」。飛躍の秋へ、背番号60は泥にまみれる覚悟だ。