和田監督、嘆く5番不在…現状打開は?
「中日4‐2阪神」(29日、ナゴド)
あとは祈ることしかできないのか‐。阪神はいつものごとく、チャンスに決定打が出ない。打つ手が現状打開につながらない。9月最後の試合。しかし虎党の願いもむなしく、猛虎は驚くほど静かな空気の中で敗戦を迎えた。
「点を取ってやらないと…。投手がいつもしんどい状態で、マウンドに上がってないといけないし」。和田監督が嘆く。この1カ月、何度同じ言葉を繰り返したか。それでも、打線の状態が思うようには好転しない。
原因は明確だ。「ちょっと、5番以降が機能していないね」。ポイントゲッターが見つからない。それが、猛虎のアキレスけんとなっている。
9月はこの試合までマートン、新井、福留が5番を務めた。だが、3人合計で86打数16安打、打率・186、打点10では寂しい限りだ。そして、この日は前日の28日に1軍復帰した今成を「5番・右翼」で起用した。
だが、二回無死一塁で初球の甘い直球を見逃すと、2球目のボール気味の外角シュートに手を出して遊撃への併殺打。結局3打数無安打と、期待には応えられなかった。
それでも左足に不安を抱える福留の休養、CSで対戦する広島・前田健と相性の良い今成に出場機会が必要な現状での起用だ。若い今成に責を負わすのが酷なのは、首脳陣も承知している。
抜本的な打線変更も その上で和田監督は「そこ(5番)を探さないと(打線が)機能しない。1、2点取れるかもしれないが、それ以上を取るとなると、その後に入る選手の状態を上げていかないと」と話した。
ベストは実績ある打者、福留と新井の復調だ。黒田ヘッドも「あの2人が調子を上げてくれないと」と切望する。ただ残された時間は少ない。
「その選手の状態が良ければ、それに越したことはないが、相手投手(との相性)とか、そういう起用になる可能性はある。固定したいのはやまやまだが…」と和田監督。ベテランの意地か、抜本的な打線変更か。いずれにせよ、祈ることしかできない戦いなど、ファンは望んでいない。