藤浪、G斬り11勝締めで飾るぞ神の花道
阪神の藤浪晋太郎投手(19)が4日、甲子園球場での投手練習に参加した。今季最終登板となる5日・巨人戦(甲子園)は、桧山進次郎外野手(44)の引退セレモニーが行われる大切な試合。スタメン「5番・右翼」で“降臨”する神様の花道を飾るべく「ゲームを壊さないようにしたい」と気合を込めた。
22年間、チームを支えてきた桧山の引退試合。この先発マウンドに、阪神の次代を担うルーキー・藤浪が上がる。
尊敬する桧山の最後の晴れ舞台だ。恥ずかしい投球はできない。大一番を前に、甲子園でブルペン投球した右腕は改めて表情を引き締めた。
「桧山さんの引退試合なので、ゲームを壊さないようにしたいです」
チーム最年少19歳の藤浪と最年長44歳の桧山。藤浪にとって桧山は幼い頃からテレビで見た阪神のスターだった。入団前、藤浪が抱いていた「厳しい方」というイメージは、同じタテジマでプレーしたことで「優しい先輩」に変わった。
おそらく2人には縁があるのだろう。桧山が、今季限りでの現役引退を表明した9月7日の巨人戦(甲子園)に先発したのも、また藤浪だった。
その試合前に桧山から直接、引退を知らされた藤浪は「1年しか一緒にやらせてもらっていないですけど、同じチームの先輩が引退するのは少し寂しいです。もっと長く一緒にやらせてもらえたらと思っていました」と現役引退を惜しんだ。
だが、当日は7回5安打4失点と巨人打線に打ち込まれ、甲子園初黒星を喫した。9月は4戦2敗、未勝利に終わったが、10月に入りツキも変わったはず。今度こそ、前回と同じ伝統の一戦で、桧山へ恩返しの投球を届けるつもりだ。
その先に控えるのが、小久保新監督率いる新生「侍ジャパン」入りだ。11月に予定されている台湾遠征の日本代表候補に藤浪の名前が挙がった。
藤浪は「そういうところに名前を挙げてもらうのは、ありがたいこと」と感謝しながら「26歳以下で、アマチュアも含まれるので、自分よりふさわしい方がいらっしゃると思う。選んでいただけるだけ光栄なことです」と謙虚に言葉を選んだ。
「日本球界のエース」を目指す藤浪にとって、侍ジャパンのユニホームはあこがれ。だが「今はポストシーズンに向けて、調整するだけです」とあくまで1週間後に迫ったCSファーストSを見据えた。
CS、そして侍ジャパン入りとルーキーイヤーの戦いは続く。まずは今季最終登板を待望の11勝目で締めくくり、桧山の引退試合を飾る。