松田、天国の祖父に捧げるプロ初勝利
「ヤクルト2‐3阪神」(4日、神宮)
阪神・松田がプロ初勝利を挙げた。延長十回から2イニングを打者6人で封じると、延長十二回に敵失で決勝点が入り、勝ち星が転がりこんだ。
「たまたまいいところで投げさせてもらって…。初めて勝てたのはうれしい。勝ちも付いたので、これをきっかけにしたい」。試合後、小雨舞う神宮球場で猛虎党から大歓声を浴びた。十一回にはこの日引退試合の宮本を左飛に仕留め、「小さいころテレビで見ていた方。すごい空気の中で投げられて、緊張したけど抑えられたことは良かった」と胸を張った。
福原から渡されたウイニングボールについて問われると、「両親に渡します」と照れ笑いを浮かべたが、実は贈り先は決まっている。波佐見高3年時、甲子園出場を決めた記念球、そしてドラフト指名を受けた当時のパスは、4年前に他界した祖父・義博さんの仏前に供えてある。
「おじいちゃんにプロで活躍する姿を見せたかった」
祖父孝行の夢はかなわなかったが、「10・4」の記念球は天国に届ける。遼馬のプロ野球人生に忘れられない日付が刻まれた。