マートン最多安打!仮想マエケン撃ち

 「DeNA7-5阪神」(8日、横浜)

 阪神の今季最終戦は逆転負けで終わった。しかし、敗戦の中でも確かな光は見えた。DeNA先発・三嶋を、CSファーストS初戦で対戦濃厚な広島・前田健に見立てて攻略。三回に4連打で2点を奪ってKOした。先制打を放ったマット・マートン外野手(32)は2安打。シーズン178安打として、2年ぶり3度目の最多安打のタイトルを獲得した。

 マートンは本気だった。一般的に見れば144試合目の消化試合だが、打席から発する異様な緊張感は明らかに本番を見据えていた。CSファーストSへ最後の調整舞台、相手は苦にしていた三嶋‐。虎の4番はその失投を見逃さなかった。

 0‐0の三回。2死から坂、鳥谷の連打で一、三塁と先制のチャンスで迎えた第2打席だった。簡単に1ボール2ストライクと追い込まれたが、外角いっぱいの直球をしっかりと見極めた。低めの誘い球にも手を出さなかった。フルカウントに持ち込んだ6球目、シュート回転で甘く入った149キロの直球を見逃さなかった。

 コンパクトに打ち返した打球は二遊間をきれいに破る先制適時打。「難しい球が多くて良い投球をされた。ちょっと受け身になったけど、センター方向を意識したのが良かった」。仮想マエケンと目した右腕から、プラン通りに序盤で先制点を奪った。確かな勝負強さを誇る男が、最終調整の舞台で真価を見せた。

 最終回にもソーサから左前打を放ち、178安打で2年ぶり3度目となる最多安打のタイトルを獲得。2月のキャンプ中、水谷チーフ打撃コーチに「ヒットを打てるのは立派な才能や。それはお前にしかできんのや」と諭された。長打力アップを目指してフォームを崩した過去2年。その反省を糧に開幕からヒットを量産した。調子を崩した8月上旬には水谷コーチが広島のお好み焼き店に誘い、打撃論議に花を咲かせた。

 だからこそ三回のタイムリーに「ああいう打撃を求めていた」と同コーチは目を細め、和田監督も「三嶋は(前田健と)似たようなタイプで、直球とスライダーのピッチャー。(CS本番へ)近い打線を組めているので。2死からだったけど良い攻撃だった」と手応えを感じ取った。

 「タイトルが取れたのはうれしいけど、この先もプレーできるのがもっとうれしい」と笑ったマートン。頼りになる4番が虎の命運を握っているのは間違いない。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

阪神最新ニュース

もっとみる

    スコア速報

    主要ニュース

    ランキング(阪神)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス