勝負どころなら…主軸にもバントあるぞ!

 甲子園で10日に行われた阪神の全体練習では、シート打撃で西岡、鳥谷、新井、福留らがバントを練習した。接戦が予想されるポストシーズン。和田監督は勝負どころでは、主軸にもバントをさせる方針だ。

 全員でアップを終え、投手と内野がサインプレーを確認した後だった。松田、二神、わざわざ2軍から呼び寄せた伊藤和がマウンドに上がると、主力打者が次々とバントを行った。山脇外野守備走塁コーチは「(ポストシーズンは)打ち合いにはならない。ここぞという時には新井でも(バントは)ある、ということだよ」と意図を説明した。

 接戦は必至 12日のCSファーストS初戦、広島の先発は前田健が決定的だ。今季は対戦防御率0・40と抑え込まれており、接戦となる可能性は高い。その後もポストシーズンは、1点が勝敗を分けることが予想される。

 今季のチーム総犠打数はリーグ4位の112。決して多い方ではない。また、西岡、鳥谷、新井、福留、マートンで犠打を記録したのは鳥谷の1度だけだ。

 だが、和田監督は勝利をたぐり寄せるために、主力打者にもバントのサインを出す方針だ。「打つにこしたことはないけど、ああいうことで試合が決まることが多い」。85年以来となる日本一に輝くためならば…。指揮官は勝負に徹し、主軸にも自己犠牲を強いる。

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