和田監督が大号令!巨人倒して日本一や
必ず広島を倒して東京へ行く。そして‐。阪神は10日、兵庫県西宮市の甲子園球場で、広島と戦うCSファーストS(12日開幕・甲子園)へ向け、全体練習を行った。練習前の円陣では、和田豊監督(51)が選手たちへ「日本一を目指そう!」と熱い訓示。猛虎が一致団結し、頂点を目指す道へ再スタートを切った。
巨人を倒しての8年ぶりV。今季の目標の1つは、果たすことができなかった。宿敵にリーグ優勝を譲り、144試合を戦い抜いた結果は2位。だが、これで戦いが終わったわけではない。巨人へ挑戦する道が途絶えたわけでもない。
決戦を2日後に控えた聖地・甲子園。10月とは思えない暑さの中、外野で円陣を組む猛虎軍団。中心で、和田監督は打倒巨人への思いをあらためて選手へぶつけた。
「打倒巨人で今年のキャンプをスタートさせた。まだ巨人を倒すチャンスは残っている。広島に2つ勝って、もう一度、東京へ行こう!日本一を目指そう!!」
指揮官の号令が、猛虎戦士の心を震わす。タテジマに袖を通した時から、それは宿命づけられている。目標は広島に勝利することだけではない。もっと先にある。ファイナルSで待つ巨人を倒して日本シリーズへ進出すること。そして日本一の栄冠を手にすることだ。
猛虎の眼前に立ちはだかるのが、ポストシーズンという短期決戦の壁。CS導入前の03、05年はリーグ優勝を果たしながら、日本シリーズで敗北。07年から始まったCSでは、過去3回の挑戦で、1度たりともファーストSを突破できていない。その壁に、何度も何度もはね返されてきた。
だからこそ和田監督は強い気持ちを求めた。勝利への執念を求めた。
「技術はみんな持っている。ただ短期決戦で大事なのは、気持ちの部分。普段から気持ちを持っている選手でも、短期決戦は難しい。そこで力を出すことを考えて、この2日間練習しよう」
阪神は9月に入り、6勝16敗(2分け)と大失速。深刻な得点力不足に悩み、それが完全には払しょくされないままシーズンを終えた。勢いは広島が勝っている。状態を取り戻す方法は、1人1人の気力しかない。
その上で、勝負への意識を高めるために、この日の練習では投内連係などのサインプレー、主力を含めたバント練習、シート打撃、1つ1つのプレーを確認しながら約3時間半、汗を流した。
「いずれにせよ、シーズンとは戦い方が変わってくる」。勝負を分けるのは、わずかな差。すべての準備を整え、最後は選手の力を信じる。猛虎が見せる下克上。始まりの時は、もう間近だ。