阪神“切り札”投入!掛布氏にC要請
阪神がOBの掛布雅之氏(58)=現野球評論家=に、打撃アドバイザー役への就任を要請する方針を固めたことが13日、明らかになった。既に球団関係者を通じて要請しているもよう。受諾すれば、88年限りで現役を引退して以来の阪神復帰となる。今季は終盤に貧打に陥り、8年ぶりのリーグ制覇を逃した阪神。“切り札”投入で打撃陣をてこ入れする。また水谷実雄チーフ打撃コーチ(65)がこの日、打撃不振の責任を取り、今季限りでの辞任を球団に申し入れた。
阪神がついに“切り札”を投入する。現役時代に本塁打王を3度、打点王を1度獲得。日本一に輝いた85年には、4番として強力打線をけん引した掛布氏に、猛虎打線復活を託す。
役割は通常の打撃コーチではなく、アドバイザー役。指導対象や期間など詳細については、今後の球団との交渉で詰めていくことになる。
すでに球団関係者を通じて打診を終えているもよう。近日中にも南球団社長が本人と会い、直接要請する。受諾となれば早速、今秋キャンプから指導にあたる可能性もある。
掛布氏は88年限りで現役を引退後、臨時コーチを務めたことはあるが、古巣の阪神ではもちろん、プロ野球で本格的な指導者となるのは初めてのこと。ただ、その確かな打撃理論は打撃陣のてこ入れを目指す今の阪神にとっては、大きな力となるはずだ。
今季の阪神はリーグ5位の531得点に終わり、特に終盤での失速が響いた。昨季までも打線の低調が目立ち、05年以来の優勝を果たす上では攻撃力アップが最大の課題となっていた。
昨オフには経験豊富な水谷実雄氏(65)をチーフ打撃コーチに迎え、改革に着手。キャンプ中には新井再生に向けて連日の早出特打でマンツーマン指導を行い、昨年、打撃不振に苦しんだマートンに関しても、シーズン214安打のプロ野球記録を樹立した来日1年目の打撃フォームに戻すように指導し、再生を手がけた。
一定の成果は得られたが、シーズン終盤には貧打に陥り、2位とはいえ優勝の巨人には12・5ゲーム差と大きく引き離された。さらに広島とのCSファーストSも連敗で敗退。水谷コーチは試合後、打線低調の責任を取り、球団に退団を申し入れた。「シーズン後半戦での打撃陣の失速には責任を感じている。体調面での不安もあり、辞任を申し入れた」と水谷氏。関川コーチ、高橋コーチは残留の方向で、掛布氏には若い打撃コーチ陣のサポート役も期待される。