虎の一等星は“能見2世”左腕・岩貞!
「プロ野球ドラフト会議」(24日、グランドプリンス新高輪)
阪神はドラフト1位で横浜商大・岩貞祐太投手(22)を指名した。外れの外れで日本ハムとの競合の末、和田監督が引き当てた。能見2世として期待される左腕は2桁勝利と新人王をルーキーイヤーの目標に掲げた。
ドラフト1位は能見2世だった。3球団競合の末、九州共立大・大瀬良を外し、日本生命・柿田をDeNAにさらわれた。外れ外れで迎えた3度目の入札は日本ハムとの一騎打ち。和田監督がくじを引いた瞬間、岩貞は表情ひとつ変えなかった。
「自分の名前が出ても最初は他人(ひと)ごとのように感じてたんですけど、和田監督がくじを引いた時、あっ阪神に行くんだなという実感が湧いてきました」。話しながら、徐々に喜びがこみ上げてきた。
182センチ、78キロ。虎のエースに似たスリムな体から、しなやかに腕を振り、最速148キロを武器にスライダー、カットボールを操る。その投球フォームはチームメートからも阪神・能見に似ていると言われている。
それもそのはず、大学入学後に伸び悩み2年冬に「何かを変えないといけない」とフォーム改造を決断。その参考にしたのが能見だった。映像を何度も何度も見返し、目に焼き付けた。「腕の振り、間の取り方、体重移動を細かくチェックしていきました」と言う。
おかげで、見違えるようにボールがいった。プロ入りの“恩人”といっていい。「能見投手に教わりたいことはたくさんある。技術的にもそうだけど、技術以外の面でも学びたい」と早くも弟子入りを志願した。
会見場では和田監督の「1年目からローテに入れる投手。早くピッチングを見てみたい」と会議中継の映像が流れるとグッと表情を引き締めた。
即戦力としての自覚は十分。目標を問われると「10勝という目標を大きく掲げていきたい。(新人王)狙います」と言い切った。
指名後には学校に駆けつけた和田監督と初対面。「交渉権確定」のくじを手渡され「能見を参考にいい投手になってください」と激励を受けた。
「この指名がゴールでなくスタート。信頼される投手になりたい」と岩貞。大学球界屈指の左腕は憧れの聖地での大暴れを誓っていた。