高代コーチ秘蔵プラン「今成・三塁」や
可能性を探る‐。阪神・今成良太捕手(26)が安芸秋季キャンプ初日の1日、三塁手への挑戦を開始した。「自分のチャンスなんで、マイナス思考はない」とノックの雨を浴びた。非凡な打撃力を生かすため、複数ポジションを武器にレギュラー奪取を狙う。
新境地開拓。今成はどん欲な姿勢で、指示と指導に耳を傾けた。プロ8年目で初となる三塁挑戦。足の運び、捕球体勢、守備位置…。アマチュア時代に使用した内野手用のグラブを手に、1日も早い成長を願って、ボールを追いかけた。
発案者は新任の高代内野守備走塁コーチ。評論家として今季の戦いを見つめながら、今成の非凡な打撃に大いなる魅力を感じていた。生かさない手はない‐。10月、和田監督らと会食した際、指揮官に三塁挑戦プランを提案した。
和田監督も賛同した。「バッティングのレベルは高いからね。1、2、3番を打たせても、下位でも十分仕事ができるレベルにある。春までに見極めていきたい」と可能性を探る方針を決めた。
内野ノック、投内連係、個別練習。挑戦初日は守備の反復練習に明け暮れた。「難しいですね。ひとつひとつ捕るところからやっていかないと。ただ、自分のチャンスなんで、マイナス思考はないです」と今成は意欲をみなぎらせた。
広島コーチ時代、捕手出身の江藤、木村を内野手に育てた実績を持つ高代コーチ。「今までに公言したことはないけど、初めて公言します。一人前にする。サードが守れるようになる」と後方支援を確約した。
懐の広い打撃は折り紙付き。「代打だけに絞ってしまうのはもったいない」と和田監督。挑戦が実を結べば、戦力図は厚い幅を持つ。無限の可能性を追い求め、野球につかる。