緒方の強肩まるで新庄!外野争い名乗り
「阪神秋季キャンプ」(2日、安芸)
新庄の再来か‐。ルーキーが南国で輝いた。阪神・緒方凌介外野手(23)が2日、シート&ゲーム式ノックで“強肩発動”した。低く、強い矢のような送球は、鉄砲肩で鳴らし、メジャーでも活躍した新庄剛志氏(41)をフラッシュバックさせた。
決して肩が弱い方ではない大和がかすんで見えた。中堅に就いた守備練習で、緒方の存在感が際立った。とにかく送球が強い。球が浮くこともなく、制球も良し。鋭い視線を投げかけた和田監督の視線を奪った。
「ええね。足も速いし。来年の外野手争いに入ってきてもいい」。5月以来、約半年ぶりに見るその姿は、大きな変貌を遂げていた。入団時にリハビリ中だった右膝の不安が消え、全力でグラウンドを駆け回る様は、1軍レベルに達していた。
昨日から、捕球から送球に移るまでの速度アップを求めていた山脇外野守備走塁コーチも、吸収の早さに舌を巻いた。「面白い素材。このまま順調に行けば1軍キャンプ」と来春は宜野座スタートとなる可能性を示唆した。
守備だけじゃない。バットを短く持ち、広角に打ち分けるシュアな打撃も魅力十分。「非常にシャープだし、ガッツがある」と和田監督は、攻守両面での才能を高く評価した。
ルーキーイヤーの今季、1軍在籍はわずか6日に終わった。課題は山ほどあるが、乗り越えなければならない壁を自覚している。試合に出るために身に付けなければならない術がある。
「まだ捕ってからが遅いので。大和さんのような捕り方で投げるのが理想です」。練習試合を含めたフェニックス・リーグで、チームトップの19安打を放った。打撃でつかんだ自信を守備にも移し、来季は新庄ばりの強肩を聖地で披露する。