虎59年ぶり!藤浪 あるゾ19歳開幕
プロ野球セ・リーグは5日、交流戦を含めた2014年シーズンの公式戦日程を発表した。3月28日のパ・リーグと同時開幕し、阪神は10年ぶりに東京ドームに乗り込み巨人と開幕戦を行う。和田豊監督(51)は開幕投手について、藤浪晋太郎投手(19)が「候補の1人になってくる」と可能性を示した。阪神で19歳での開幕投手となれば、1955年の西村一孔以来、59年ぶりとなる。
2014年の和田阪神。V奪回の幕が開ける東京ドーム。マウンドの背番号19が、阿部を坂本を村田をぶった斬る!夢のような藤浪の姿が、見られるかもしれない。
いきなり宿敵に、倍返しする機会が巡ってきた。来季、開幕戦の相手が、今季のリーグ覇者、巨人に決定。知らせを聞いた和田監督は、藤浪を開幕投手に指名する可能性を口にした。
「今年1年、実績を積んでというところでは(開幕投手)候補の1人になってくるね」
チームの船出を任せる大役。阪神には、能見と残留要請をしているメッセンジャーの左右の柱がいる。もちろん、この両腕が最有力候補に間違いない。
藤浪自身も「自分は(開幕投手は)ないと思ってますし、エースは能見さんなので。自分にそんな力は、まだまだないです」と意に介さなかった。
とはいえ、指揮官は猛虎の未来を担う右腕に、大役を託す可能性を残している。現在、秋季キャンプではインステップを矯正している藤浪。フォーム修正に成功し、さらなるレベルアップを図ることができれば、期待も膨らむ。
巨人戦のデータも後押しする。今季3試合に登板し1勝1敗、防御率2・50。8月4日には巨人戦の初登板で、同戦の初先発初勝利を挙げた。これは、阪神の高卒ルーキーとして初の快挙。歴史に名を刻んだ場所が、東京ドームだった。
実現すれば、19歳の開幕投手は阪神では1955年の西村一孔以来5人目となる。12球団を見渡しても、2リーグ制以降では00年・松坂大輔(西武)以来。過去に10代で開幕投手を務めたのは11人しかいない。
この日、秋季キャンプでは投手陣による160メートルインターバル走が20本行われた。歳内、秋山ら6人で競走し、藤浪はぶっちぎりの20連勝。徒競走とはいえ、圧倒的な力を見せつけた。
「将来的に開幕投手を任せられるような投手になりたい」。練習後、静かな口調で話した右腕。夢を現実に‐。大きな期待を抱かせる雰囲気が、背番号19にはある。