高代Cダイブ禁止令!アライバ育成方式
「阪神秋季キャンプ」(6日、安芸)
阪神・高代延博内野守備走塁コーチ(58)が、安芸秋季キャンプ中に内野陣へ“ダイブ禁止令”を出していたことが6日、明らかになった。故障防止に加え、球際の強さと守備範囲の拡大が狙い。中日コーチ時代に荒木、井端の「アライバコンビ」を育て上げた際と同様の方式で、強固な内野陣をつくり上げる。
秋季キャンプスタートから6日。内野手のユニホームが汚れない。毎日のように守備練習が組み込まれ、特守も実施しているのだが…。黒土にまみれることなく帰って行く若虎たち。そこには“鬼軍曹”から意外な指令が飛んでいた。
「ダイブ禁止!飛ぶなと言ってある。キャンプ初日にグラウンドで『飛んだらしばくぞ!』とな」と明かした高代コーチ。確かに午前中のシートノック、併殺プレーの練習でもギリギリのところに打球が飛びながらも、選手は懸命にグラブを伸ばす。飛び込むことなく足を使ってボールへ追いつこうとする。
高代コーチがダイブ禁止令を出した理由は2つ。1つは故障防止のためで「飛んだら肩がおかしくなるやつもいる。自分自身もそうだったしね」。一見、華やかに見えるダイビングキャッチは脱臼などのリスクと隣り合わせだ。練習を積めないばかりか、選手生命を脅かすことになりかねない。
2つめは懸命に足を使って、グラブを伸ばすことで球際の強さが増し、守備範囲も広くなる。「しんどくなってきたらみんな飛ぶんだよ」と高代コーチ。簡単に飛べない状況は選手にとってより濃密で過酷だ。中日コーチ時代、このダイブ禁止令で大きく成長したのが荒木、井端の「アライバコンビ」。今でも教え子の中で「守備範囲は荒木が一番、広かったな。捕るのは井端がうまかった」と双璧を成す存在だ。
キャンプ初日から捕球姿勢をたたきこみ、ダイブ禁止令で足を使う意識を徹底させている高代コーチ。しかも「まだダイブさせるような打球は打ってない」と言い切る。西岡‐鳥谷の二遊間コンビを脅かす若虎‐。そんな存在がチーム力強化に必要だ。