藤浪 夢の200イニングへ“心肺”ご無用
「阪神秋季キャンプ」(7日、安芸)
200イニングも夢じゃない!阪神・藤浪晋太郎投手(19)が7日、投手陣で行われた4キロのクロスカントリーで、歴代最高タイムとなる19分46秒をたたき出した。驚異のスタミナを見せた右腕は、来季に向けて「できる限り長い回を投げたい」と宣言。第2クールからはブルペンで投球練習を行う予定だ。
スタミナもずばぬけていた。サブグラウンドから、全長80メートルの急勾配の階段を上り、外周を回るクロスカントリー。藤浪が圧巻のタイムで制した。
1周800メートルを5周、計4キロのタイム走を、19分46秒で走った。19分台は虎投歴代最高タイムだった。
涼しい顔で引き揚げてきた藤浪は「若いですし。毎年コースが違うらしいので。それに全員スタートが一緒なら分からないですよ」と謙そんした。だが2位・秋山とは45秒差。脚力でも能力の高さを見せた。
1周ごとのラップが、ほぼ同じペースだった。伊藤トレーニングコーチが「坂や階段を上ってからの回復力がすごい」と舌を巻いた。トータルのタイムも驚きだが、同じペースで走り続けられるのは、心肺機能の高さの証明といえる。
来季、藤浪に期待されるのは今季以上のフル回転だ。10勝を挙げたルーキーイヤーは24試合に登板し、137回2/3を投げた。規定投球回には6回1/3、届かなかったが、それはシーズン序盤に球数制限が設けられていたことも影響した。藤浪自身、「規定(投球回数)に乗せようと思えば乗せられた。力が足りなくて到達できなかったわけではない」と言い切った。
中西投手コーチも来季は180回以上投げることを期待している。その期待の先には、200回という、先発投手の勲章ともいえる数字も見えてくる。藤浪は「数字にこだわりはないですけど、できる限りの回を投げたいと思います。そんなにスタミナに不安はないです」と自信を見せた。
9日から始まる秋季キャンプ第2クールでは、ブルペン投球を解禁する。傾斜を使って、インステップの矯正に取り組む。進化の2年目へ、黄金右腕は着実に前進している。