藤浪進化目指しビデオで徹底解剖
黄金右腕を徹底解剖や!阪神の秋季キャンプが15日、高知県安芸市で行われ、藤浪晋太郎投手(19)がブルペン入りした。インステップ矯正の一環として、今キャンプで初めて投球動作をビデオ撮影。中西清起投手コーチ(51)は前後左右の4方向から撮影し、新フォーム習得への研究材料とする考えを明かした。
投手陣の投球が終わりかけたブルペンに藤浪が入った。プレートの両端から、2本のラインを引く。片山ブルペン捕手が、バッターボックスより手前に位置取って座る。いつも通り、インステップ矯正のための準備が行われた。第3クール初日。ここから、普段と違う光景が見られた。
片山ブルペン捕手の背後に、ビデオが設置された。藤浪の投球に対してビデオ撮影を導入するのは、今キャンプ初めてだ。中西投手コーチは「今後のため(映像に)収めた。もちろん、きょうも見るけど、来春の参考にするため」と説明した。
藤浪は約16メートルの距離で、ごく軽めの投球を繰り返した。最初はセットポジションだったが、途中からワインドアップに変更。すると、中西コーチ自らビデオを持ち運び、藤浪の右側に設置。さらにノーワインドアップから投げ込むと、藤浪の背後や左側からも撮影が行われた。
全41球の投球フォームを、4方向から映像に収めた。入念な撮影は、“進化計画”が新たな段階に進んだことを物語る。徹底したデータ収集となっている。
ブルペンで行うインステップ矯正の投球では、初めてワインドアップを試した。セット以外でも崩れないように投げられるかが狙いだったが、同コーチは「あまり変わりなく投げられていたな」と及第点を与えた。
今キャンプの目的は、フォーム固めの意識付けをすること。藤浪も「今の段階では(成果は)わからない。ブルペンでしっかり投球しないと。打者に対してみないとわからない部分もあると思いますので」と話すにとどめた。
ブルペンでの軽めの投球も、ビデオ撮影もすべては、来春のため。本格的な矯正プログラムを進行するためだ。その中で、できる限りの情報収集など、行っていく考えだ。新フォームへのヒントが多ければ多いほど、理想型が見えてくるはず。進化した黄金右腕の姿が、待ち遠しい。