西岡「打倒巨人」を改めて決意

 阪神の西岡剛内野手(29)が22日、兵庫県西宮市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、現状維持の年俸2億円プラス出来高払いでサインした。移籍1年目を「恐怖心と闘ったシーズン」と振り返った。2年契約2年目となる来季に向けては「打倒巨人」と「ベストナインとゴールデングラブ賞のダブル受賞」を固く誓った。

 3年ぶりの日本球界復帰だった西岡は、チームを前年度5位から2位へ押し上げた。貢献度は高かったが、目に見えない重圧とも闘っていたという。

 「今年は恐怖心と闘った1年だった。米国で成績を残せていない人間が帰ってきて、そこで成績を残せなかったら終わっていく。そうなるのが怖かった」

 虎のリードオフマンとして、申し分ない活躍をした。今季122試合に出場。マートン、鳥谷に次ぐ144安打をマーク。ベストナインにも選出された。関本と「グラティ」を考案するなど、ムードメーカー的な役割も果たした。それでも、シーズン中は人に言えなかった不安を吐露したのは、決して満足のいくシーズンではなかったからだ。

 「僕が来て2位だったら、今までのタイガースと変わらない。チームを変えられたとは言えない」

 優勝の巨人から12・5ゲーム差の2位を喜べるはずはない。CSファーストSでは広島に2連敗。後半の失速も含めて「後味が悪い終わり方」と反省ばかりが口をついた。

 だからこそ、1年前の入団会見で掲げた「打倒巨人」への思いが、より強く芽生えた。「非常に強いチームだった。そのチームを倒し優勝を目指す」と改めて言い切った。

 そのためには、自身にも大きなハードルを課す。ベストナイン受賞に「大満足してもらえる賞ではなかった」と、あえて喜びを示さなかった。そこには、ゴールデングラブ賞を獲得できなかった悔しさがある。

 「鳥谷さんは両方取っているわけですから、同じ二遊間として2人が取れるようにやっていきたい」。今季以上の黄金の二遊間を形成する。背番号7の誓いが、打倒巨人への道しるべとなる。

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