「4番・新井」奪回へゴメス意識しない
「阪神ファン感謝デー」(23日、甲子園)
球団構想を覆す!阪神のファン感謝デーに参加した阪神・新井貴浩内野手(36)が、前日正式契約を結んだ新助っ人マウロ・ゴメス内野手(29)とのポジション争いについて語った。球団は「4番一塁、ゴメス」の新構想を描くが、新井は「相手を意識しない」ときっぱり。改めて4番奪回を誓った。
来春2月の宜野座キャンプで、4番候補の新助っ人がベールを脱ぐ。フリー打撃ではドミニカンパワーに任せ、柵越えを連発する姿が容易に想像できる。ビッグアーチの軌道が視界に飛び込めば、意識せざるを得ないだろう。それでも、新井は素っ気なく言った。
「ゴメス?意識しませんよ。去年も同じようなことを聞かれたけど、一緒です。キャンプでも、特に何も考えないでしょうね。自分との勝負なんで」
前夜、和田監督は生出演したテレビ番組の中で、ゴメスの起用方針を「一塁で」と明かした。この瞬間、新井の来季ポジションは保証されなくなった。来春のキャンプ、紅白戦、オープン戦で、新井とゴメスが一つのポジションを競い合うことになる。仮に開幕まで両者の成果が同レベルなら、新戦力がレギュラーに名を連ねるのが、この世界の常識。すなわち、新井が圧倒的な存在感を見せつけなければ、定位置を失う危機が訪れる。
10日のイベントで、新井は「チーム内の切磋琢磨(せっさたくま)は必要だと思うけど、もう一回、4番を打ちたい」と話した。球団は昨オフも内野手の新助っ人コンラッドを補強したが、新井は「競争はない」と言い切った。「思いは去年と同じ。来季は4番?そういうふうに思っています」。今季はコンラッドがこけたため、労せず定位置が巡ったが、来季はどうか。「4番、ゴメス」。球団の新構想を再び覆すことでしか、道は開けない。