沢村栄治生誕地で3・10GTプレ開幕戦
沢村栄治生誕の地で伝統の一戦が初めて実現する。巨人‐阪神のオープン戦(巨人主催)が来年3月10日に三重県伊勢市の倉田山公園野球場の新球場こけら落としとして開催されることが29日、明らかになった。新球場は伊勢神宮から近く、3月28日開幕戦(東京ドーム)で相まみえる両軍が由緒ある地で、開幕前の最終直接対決に臨む。
14年開幕を占う伝統の一戦が、伊勢で開催される。伊勢市(当時、宇治山田市)といえば沢村栄治誕生の地。1917年に産声をあげた伝説の右腕は17年に生誕100周年を迎える。メモリアルに先駆け、10億円以上をかけて既存の倉田山公園野球場をリニューアル。新球場のこけら落としイベントが検討されてきたが、記念カードに最もふさわしい巨人‐阪神の開催が決まった。プロ野球関係者が「そう決まったと聞いている」と明かした。
来季は巨人と阪神が10年ぶりに開幕戦(東京ドーム)でぶつかる。来る3月28日に向け、両軍選手はレギュラーを目指し、2月の春季キャンプから熱い戦いへの準備に入るが、同10日の「伊勢決戦」は開幕まで3週間を切ったタイミング。ピカピカのスコアボードに開幕メンバーが名を連ねる可能性も十分ある。プレシーズンマッチとはいえ、「沢村」の名に恥じない両軍のエースがマウンドに立つかもしれない。
皇室の氏神である天照大御神を祭る伊勢神宮は今年、飛鳥時代から1300年続く20年に一度の式年遷宮が行われ、国内外から1000万人を超える参拝者でにぎわった。東海地区トップクラスの球場の完成を目指してきた新球場は、同宮から北東へ約3キロに位置。世界有数のパワースポットとしても有名な神聖なる地で能見対内海、あるいは藤浪対菅野の投げ合いが実現すれば、初開催にふさわしい舞台になりそうだ。
今季、阪神は巨人に11勝12敗と負け越し、12・5差をつけられ優勝を逃した。大型補強を完成させる新生巨人との腕試しは3月9日(甲子園)と10日(伊勢)の2度、予定されている。阪神は、各選手が定位置をめぐって、しのぎを削る3カ月間の調整を経て、リーグ王者と相まみえる。