新井、掛布DCゲキに感謝「光栄です」
掛布さん、ありがとう!阪神・新井貴浩内野手(36)が4日、掛布雅之DC(58)からの激励に感謝し、ゴメス補強に悔しさを持たなければ「プロ野球選手として終わり」と自ら言った。この日は広島市内で開催された元広島投手、大野豊氏の「野球殿堂入りを祝う会」に出席。古巣の大先輩の栄誉に敬意を表した。
新井は掛布DCの言葉を伝え聞くと、うん、うん、とうなずいた。そして、考えを巡らせたあと、阪神の大先輩にあて、冷静に感謝の気持ちを語った。
「ありがとうございます。そう言ってもらえて光栄です。僕が思っていることを言っていただいて…」
今月1日、掛布DCは「僕は今でも彼が4番を打つのが良いと思っている」と、新井に主砲奪還を期待したうえで猛ゲキを飛ばしていた。「冗談じゃない。なぜ同じ一塁を守る選手を獲ったんだ。新井くんにそういう気持ちがないとおかしい」
発端は球団が是が非でもと敢行した外国人補強。和田監督は新助っ人ゴメスを「4番候補」として期待を寄せる。打順はともかく守備位置が新井とかぶる一塁だったことで、ミスタータイガースは後輩の心情をおもんばかった。
「もちろん、そう思っている。そう思わなくなったらプロ野球選手として終わり」と新井。信頼を置く選手に代役補強の必要はないだろう。なにくその思いを隠さなかった。
開幕をベンチスタートで迎えた今季、コンラッドの不振で出番が巡り、打率・267、15本塁打、70打点を残した。シーズン中盤まで打線を引っ張ったが、後半下降した打撃に物足りなさを感じたフロントが補強を決断した。2月のキャンプでゴメスの適性がはかられそうだが、チーム首脳は「(ゴメスは)一塁」と明言している。
補強した以上、そこに純粋な競争原理は働かない。開幕までの経過が五分五分なら、ゴメスが一塁のスタメンに名を連ねる。
「逆にこういうこと(ゴメス加入)が自分にプラスになるように準備したい」。煮えたぎる思いを晴らすために、大きな逆境をはね返すしかない。