新井、長打力復活へ“落合モデル”発注
阪神・新井貴浩内野手(36)が6日、大阪市内で開催されたアドバイザリー契約を結ぶミズノ社の「ミズノ ブランド アンバサダーズ ミーティング」に参加。来季は3度3冠王に輝いた落合博満(現中日GM)が使用していたバットと同じ長さの長尺バットを発注。長打力の復活を目指す。同会議には、ほかに阪神から福留、安藤、新井良が参加した。
新井はうそをついた。「今年は何も変えません」。本当に変えないのか。取材陣から執拗(しつよう)に突っ込まれると、「ちょっとね…」と明かした。
球界最長級のバットをミズノ社の担当者に再依頼した。公表しなかったが、昨オフ、従来の33・75インチ(85・73センチ)から約2センチ長い34・5インチ(87・63センチ)の長尺バットを発注していた。練習で試したことはあったが、公式戦で使うことはなかった。この日、同社のクラフトマン(職人)名和民夫氏に「リトライしたい」と申し出た。
来季は例年と立場が違う。新助っ人のゴメスは一塁手。球団の開幕構想では控えだ。挑戦者の決意が用具に表れたとも言える。名和氏によれば「34・5インチは最近記憶にない。昔なら落合(博満)さんが使っていた」と話す。物干し竿と呼ばれた藤村富美男は36・4インチ(92・5センチ)と破格だったが、三冠王に3度輝いた落合とまったく同じ長さのバットを相棒候補にするという。
長く、重心をバットの先端にすることでミートは技術を擁するが、スイング時に加速がつき、飛距離は伸びる。かつての本塁打王が阪神移籍後、一度も20本塁打に達していない。「使いこなせれば、遠心力が働くので」。新井がオレ流バットで起死回生を目指す。