2位横田、掛布以来の高卒新人聖地弾を
今秋のドラフトで指名された阪神の新人6選手が8日、甲子園や鳴尾浜の施設を見学した。ドラフト2位の横田慎太郎外野手(18)=鹿児島実=は憧れの聖地を目の当たりにし「1日でも早く本塁打を打ちたい」と意欲満々。球団では1974年の掛布雅之(58)=現DC=以来、40年ぶりとなる高卒新人のアーチを狙う。
夢に見た聖地が目の前にあった。2年連続で鹿児島大会の決勝で敗れ、あと一歩で逃してきた甲子園。アルプス席から全景を見渡し、感動と同時に湧いてきたスラッガーの本能‐。横田は「ここで早く活躍したいと思ったし、ホームランを打ちたいなと思いました」と力を込めた。
それは本人にとって高校時代、最大の目標だった。甲子園でホームランを打つ。「高校3年間の目標だったので、早く打ちたい」と明かしたように、聖地にアーチをかけるために名門・鹿児島実の猛練習に耐えてきた。
だがその願いはかなわなかった。そして、この日初めて甲子園に足を踏み入れた。「広かったですし、スタンドも球場内も広いなという印象でした」
午前中の体力測定では驚異的な数値をたたき出した。垂直跳び80センチはチーム全体でトップクラス。背筋力など打球を飛ばすために必要なパワー系の数値もチームの平均値を上回った。
スイングスピードは1軍レベルの平均が130キロ前後に対し、横田はすでに120キロ台に達している。身長185センチ、84キロのガッチリした体格は大学生の陽川や梅野らと比較しても、遜色はない。
恵まれた身体能力を持つ横田には、大きな期待もかかる。阪神での高卒新人が1年目から1軍で活躍したケースは、1974年の掛布雅之までさかのぼらなければならない。
今年、藤浪が4月28日のDeNA戦で右中間二塁打を放ったが、投手を含めて球団の高卒新人では実に39年ぶりの長打だった。
入団1年目から本塁打を放てば掛布以来の快挙となる。本人は「そこまでは考えていない。焦らずにやりたい」と言いつつ「1日でも早く活躍して、1日でも早く本塁打を打ちたい。1年目から?チャンスがあればいきたい」と目を輝かせる。
掛布DCも横田には同じ左打者として大きな期待を寄せており、「早くスイングする姿を見たいね」と語っていた。ミスタータイガースの偉業を越えられるか。横田はそのチャンスと可能性を十分に秘めている。