新井、猛爆宣言「20発打てないのは恥」
阪神・新井貴浩内野手(36)が17日、榎田大樹投手(27)とともに大阪市立泉尾東小学校を訪問。471人の児童と野球を通じて、親交を深めた。校舎の屋上に消える“特大弾”で子どもたちを魅了した新井は、本塁打について「20本打てないのは恥」と発言。残り23本塁打に迫るプロ通算300号の来季中の達成に意欲を示した。
新井は6年間抱えてきた「ふがいなさ」を、初めて口にした。あえて元本塁打王のプライドを掘り起こしているのか。少々過激な言葉で、自分に失格のらく印を押した。
「20本打てないのは、恥だと思っている。阪神に移籍してから19本が最高の数字だから。恥ずかしいことだと思って今、練習している。おかしいな、おかしいなという気持ちでずっときているので、そういう思いを払拭(ふっしょく)したい」
阪神にFA移籍した08年以降、20本塁打に達したことがない。40本塁打の金本をかわし、43本塁打でタイトルを獲得した05年から8年。近年はすっかり、キング争いから名前を消した。今季は15本塁打。スラッガーと呼ぶには、あまりにさみしい数字だ。現在、05年の本塁打映像を見直し、当時の打撃フォームを取り戻そうとしている。三冠王に3度輝いた落合博満と同じ長尺のバットを新調するなど、飛距離への追求心は衰えていない。
一塁のレギュラーが白紙になった今オフ、自らを奮い立たせるような発言が目立つ。ポジションがかぶる新助っ人、ゴメスの加入が決まっても「普通にやれば、競争はないですよ」。契約更改の席では「優勝争いは飽きたので、優勝したい」。この日の「恥」発言もそうだが、144試合先発することを大前提に、牙を研いでいる。
この日は寒空の下、小学生にバッティングのお手本を示した。校舎に向かって打ち上げた庭球が屋上に消えるたび、子どもたちは「うわぁ~!」と大歓声。ボールを遠くへ飛ばす魅力をあらためて感じとった。現在、プロ通算277本塁打。「来年中に300(号)は打ちたい。恥ずかしくない数字?年間30本くらいは…」。大台まで23本。もう、恥の上塗りをするつもりはない。