能見Vへ!もっとコミュニケーションを
阪神・能見篤史投手(34)が18日、兵庫県西宮市内の球団事務所で契約交渉に臨み、3000万増の年俸1億5000万円でサインした。今季、チームはシーズン終盤に急失速。エースは、選手や首脳陣、球団の間で密な連携が必要と訴え、一層の団結力アップを働きかける考えを示した。なお、阪神はこの日で全選手の契約更改が終了した。
あの屈辱を繰り返すわけにはいかない。能見は「後半戦、ああいう形になってしまった。後味が悪いというか…一言で言えば悔しい感じです」。そして、こう続けた。「チームも自分も、もう少しできることがあった」
今季のチームは開幕から勝ち星を重ね、下馬評では抜きんでていると言われた巨人相手に互角に戦い、6月には一時首位に立つなど、し烈な首位争いを展開した。
だが8月後半から失速。同29日の巨人戦(東京ドーム)では、自身が九回に同点とされ降板すると、ベンチにグラブをたたきつけるなど感情をあらわにした。この3連戦3連敗で、大勢が決まった。
3月のWBCにも出場し、疲労を抱えながら投げ続けた左腕。11勝を挙げる働きも「全体的に、いい方向に向かわなければいけないと感じた」。悔しさだけが残る1年だった。
止められなかった負の連鎖。エースが感じたのは、チーム全体の連携不足だ。この日の交渉でも「投手目線から話をさせてもらった」と、詳細こそ明かさなかったが球団に考えを訴えたという。
「(言葉の)キャッチボールをしないと相手のことは分からない。(シーズンで)思い当たることがいろいろあった。また同じことの繰り返しになる。前に進まないと」
今後は「投手と野手の考えも違う。首脳陣とも話す?いろいろです。球団とも、もっとコミュニケーションを取りたい」と、主将・鳥谷と話し合いながら方向性を決めていく。
来季中にも国内FA権を取得するが「何も考えていない」と淡々だ。「チームの勝利のため、しっかり準備したい。先頭に立ってやらないといけない。それを意識したい」。Gキラーと呼ばれるエース。だが来季は、真のG倒をチーム全員で果たしてみせる。