能見が生涯タテジマ宣言!FA興味なし
阪神・能見篤史投手(34)が27日、兵庫県西宮市の甲子園球場内で「甲子園歴史館トークイベント」に出演。そこで、来季中に取得予定の国内FA権に関して、早くも「残留」を示唆した。今オフは久保がDeNAにFA移籍。そんな中での左腕の発言は、ファンへのひと足早い「お年玉」となった。
阪神を出るだなんて絶対に言わないで。どうか残ると言って‐。
そんな思いが交錯した会場内に沈黙が訪れ緊張が走る。イベントの中で、来季にも取得予定の国内FA権に話題が及んだ時のことだ。集まった約180人のファンは待っていた。能見はさわやかな表情で思いを発した。
「何も考えていない。取ったことないので分からないので。正直、20代なら悩むところですが来年で35(歳)でしょ。どうでもいいですよ。タイガースにいると思いますよ」
張り詰めた空気が和らぎ、拍手が巻き起こる。久保がFAでDeNAに移籍した直後。敏感にならざるをえない時期だけに、来オフの残留と「生涯タテジマ」をも想起させる左腕の発言は、ファンにとってはこれ以上ない最高の答えに。もちろん、盛り上がったのはこれだけではない。
約1時間のトークショーの中で、10月の広島とのCSファーストSで初戦に藤浪が先発し、3戦目に先発予定の能見が投げずに終わったことにも話題が及んだ。「難しいですね。僕が決められることではないので」と首脳陣の判断を尊重した上で、公の場では初めて胸中を打ち明けた。
「(CS前に)いくなら1戦目かなとは思ってました。マエケン(前田健)とは投げ合いたかったですが。ただ、1戦目か1勝1敗の3戦目でどっちがプレッシャーがかかるかとなると、晋太郎が1戦目というのも分からなくはないので」。不満ではない。能見自身、藤浪に大きな期待を寄せているからだ。
今年は3月にWBCに出場したが、4年後については「僕はない。うちの晋太郎が出ます。託します」ときっぱり。今後の虎のエースについても「(いずれ)晋太郎がなっていく」と答えた。今後も「後継者」として経験を伝えていく。
イベントの最後に、来季の目標を問われると「とりあえず、もう1本打てるように。力になれるように」と今季のプロ初アーチに続く一発を宣言。最後までファンを喜ばせることを忘れず、期待を裏切らなかった。