藤井、クビ覚悟で正捕手の座勝ち取る!
阪神の藤井彰人捕手(37)が10日、クビを覚悟して正捕手の座を勝ち取る決意を示した。FA権を行使してDeNAへ移籍した久保康友投手(33)の人的補償で新加入する鶴岡一成捕手(36)に対抗心を燃やし、日高、清水らとの競争にも勝ち抜くことを誓った。
心中は穏やかではなかった。いつも通りの穏やかな口調でも、表情には強い決意がにじんでいた。藤井は腹をくくり、鶴岡の移籍で最激戦区となった正捕手争いに挑む。
「(競争に)負けたら、もうクビだろうし、その覚悟でいる。今年で38歳だし、そんなに先は長くない。悔いが残らないようにやって、ホームベースを守りたい」
昨季は11年の阪神移籍後、自己最多の112試合に出場した。正捕手の最有力候補と見られるが、一切の甘えはない。「ダメなら来年は雇ってもらえないと思っている。相手が誰とかではない。評価するのは監督や第三者。捕手は任せた、と言われるようになりたい」。福原と並びチーム最年長となるベテランは、背水の覚悟で16年目に臨む。
オフは打撃練習に重点を置いて自主トレ中だ。「今は体がパリパリ。いったん、張りがきた感じ」と順調に調整している。だが、今年はレギュラーの目安となる個人成績を伸ばすだけではなく、何よりもチームの結果にこだわるつもりだ。
「勝たないと。2位じゃだめ。阪神はね。(阪神で)3年しかしてないけど、勝たないと評価してもらえない。特に捕手はそういうポジションなんで。勝ったら使ってくれる。そこにこだわりたい」
気持ちが引き締まる出来事もあった。近大の同級生だった日本ハム・二岡が昨季限りでの引退を発表。「巨人でスーパースターとしてやってね…。同級生が減るのは寂しいね」。8日に電話で話し、現役を終えた友人の言葉から力をもらった。
この日は西淀川警察署の一日警察署長を務めた。「110番の日」にちなみ、適切な110番の使い方などをPRした。市民の安全を守ったベテラン。今年は扇の要も守り切る。