藤浪初ブルペン、インステップ直った!
阪神・藤浪晋太郎投手(19)が15日、兵庫県西宮市の鳴尾浜で行われた強化指定練習に参加し、今年初めてブルペンに入った。捕手を立たせたままながら球威十分の34球。見守った中西清起投手コーチは、課題だったインステップ矯正について全く問題がないと判断した。2年目のさらなる飛躍へ向けて、藤浪は順風満帆だ。
とても2014年初ブルペンとは思えない。甲高い捕球音が響き渡った。藤浪がセットポジションから繰り出す直球は迫力、そして非凡な伸びを伴う。高めの球には鈴衛ブルペン捕手のミットが何度も後ろに持って行かれそうになったほどだ。
「今の状態で思い切り投げました。しっかり腕が振れていましたし、良かったと思います」
1年前。ルーキーイヤーの新人合同自主トレでは、初日の10日にブルペン入りし、周囲を驚かせた。昨年に比べれば5日遅い“初投げ”。だが、今年は置かれた立場が違う。
「去年はキャンプインに仕上げていかないとと思っていたけど、今年はキャンプに合わせようと思っていない」
藤浪自身、1年目の10勝に決して満足はしていない。今季は先発ローテの軸にならなければいけない。その責任感と自覚。さらなる飛躍が期待される右腕は、年が明けた初ブルペンでいきなり進化の一端を見せた。
昨年11月から課題として取り組んでいる、インステップの矯正。踏み出す左足が三塁側へ入りすぎるため、半足分ほど戻す訓練を反復してきた。修正は「2月の春季キャンプで本格的な投球を開始してから」と語っていた藤浪だが、すでにほぼ改善の域に達していた。
視察した中西コーチは「一番良かったのは左足の着地が安定していたこと。秋季キャンプから、自分のやるべきことを継続してやってきている」と合格点を与えた。
ステップが安定すると、球威が増す。加えて体重90キロを突破した肉体改造の効果も出始めている。藤浪は「去年に比べれば間違いなくいい」と言えば、同コーチは「指にかかった球がだいぶ、あったし、いいスタートが切れたな」と目を細めた。
今年初実戦は2月のキャンプ後半以降に先発で1~2イニングを投げる予定だ。今後の調整に関しても基本的に藤浪本人に任せられる。どこまで成長を遂げるのか。どこまで勝ち星を上積みするか。藤浪が今年も虎投No.1の注目を集める。