掛布DC厳命!良太よ“良い凡打”を
意外性からの脱却へ‐。阪神・掛布雅之DC(58)が18日、東京都内のホテルでトークショーを行い、同席した新井良太内野手(30)に凡打の内容を良くするよう命じた。これまで意外性の打者という認識を持ったのは、アウトの内容が悪かったためと説明。秋季キャンプで改造に取り組んだ打撃フォームを維持し、打率・280、20本塁打のノルマを課した。
ミスタータイガースが良太に出した課題は、思わぬものだった。数字ではない。昨秋から取り組んだ打撃フォームの改造でもない。「今年はアウトの内容を良くしないといけないね」と掛布DCは静かにつぶやく。
なぜ凡打の内容なのか‐。「彼の場合、内容の良い本塁打も意外な一発に見える。それは前の3打席で外のボール球を振ったりして内容が悪いのに、4打席目で決勝本塁打を打つ。要するに前の3打席の内容が良くなれば、意外性ではなくなるんだよね」。確かに昨季は内角攻めに悩まされ、形を崩されての三振や凡打が多く見受けられた。
開幕を4番で迎え、飛躍を期待されながらも、打率・238と納得できる数字を残せなかった新井良。規定打席に到達していない中での89三振は、リーグ全体で見ても多い。掛布DCは「ボールの見極めができていない」と分析し、秋季キャンプから“伊勢エビ打法”の改造に二人三脚で取り組んだ。
「形が良くなればボールの見極めが良くなる」と、トークショー前には新井良に現状を確認したミスタータイガース。もちろん確実性を上げるだけでなく、「凡打の内容が良くなるとアウトで相手に重圧をかけることができる」と力説する。打つだけじゃなく、27個のアウトすべてで重圧をかけられるか‐。一発が出にくい甲子園を本拠地とする以上、打線全体がアウトの内容を意識しなければならない。
「ああいう形(伊勢エビ打法)はもうないと言ってたし、打つべくして打った本塁打が増えるんじゃないか」と語った掛布DC。形が崩れなければ、「打率・280、20本塁打は期待している」という数字も、決して不可能ではない。